ExcelのAVERAGE関数完全ガイド：基礎から応用まで | ユースフル

ExcelのAVERAGE関数とは？初学者にも理解できる基本から説明

Excelを利用する際、データの平均を算出することはよくあります。その際に役立つのが「AVERAGE関数」です。本記事では、AVERAGE関数の基本的な使い方から応用的なテクニックまで、初心者にとっても理解しやすく説明していきます。

こんなお悩みはありませんか？

• 大量のデータの平均値を簡単に計算したい
• AVERAGE関数の適切な使用法が理解できない。
• エクセルの関数を自在に扱えるようになりたい

この記事を読むことで、その悩みが解消されます。AVERAGE関数を習得し、エクセル作業の効率を向上させましょう。

AVERAGE関数の基本：定義と特徴

AVERAGE関数は、特定のセル範囲に含まれる数値の平均を算出するための関数です。その特徴は次の通りです：

• 選択されたセル範囲内の数値の合計を、数値があるセルの数で割った結果を返します。
• シンプルなフォーマットを用いて、難解な計算を自動で行うことができます。
• 膨大なデータでも即座に平均値を計算できます。

AVERAGE関数を利用する際の留意点として、以下の2つが大切です：

1. 選択したセル範囲に文字列、論理値、または空白のセルが存在する場合、これらは計算に加算されません。言い換えれば、データとしてはカウントされないことになります。
2. セルに0という値が含まれている場合、これは計算に影響を与えます。0も有効な数字として扱われるため、平均値の算定に作用します。

これらの特性を把握することで、さらに正確かつ効果的なAVERAGE関数の利用が実現できます。

AVERAGE関数の利用法：基本的な構文および事例

AVERAGE関数の基本的な形式は以下のようになります：

=AVERAGE(数値1, [数値2], ...)

ここで、

• 数値1：算術平均を計算したい最初の数値またはセルの範囲
• [数値2]：（オプション）追加の数値またはセルの範囲

実際の使用事例を確認してみましょう。以下に示す支出データが存在するとします：

この5日間の平均支出を求めるためには、次のようにAVERAGE関数を活用します：

=AVERAGE(B2:B6)

この関数は、B2からB6のセル範囲の平均を計算し、結果として3,500円を返します。

AVERAGE関数は、特定のセルや数値を直接指定することも可能です：

=AVERAGE(3000, 5000, 2000, 4000, 3500)

この手法でも同様の成果が得られますが、膨大なデータを扱う際はセル範囲を指定する方が効果的です。

AVERAGE関数の活用：より高度な計算および統合

AVERAGE関数は単純な使用法だけではなく、他の関数との組み合わせにより、より高度な計算を実現できます。以下にいくつかの応用例を示します。

1. 条件付き平均の計算

特定の基準を満たすデータの平均を算出したい時は、AVERAGEIF関数を活用します。例えば、ある商品の販売データから、売上が1000円以上の日の平均売上を求める場合：

=AVERAGEIF(B2:B100, ">=1000", B2:B100)

この関数は、B2:B100の範囲内で1000円以上の値だけの平均を算出します。

2. 複数の範囲の平均

異なるシートや範囲にあるデータの平均を一度に求めたい時は、次のように記載できます：

=AVERAGE(Sheet1!B2:B10, Sheet2!C2:C10, D2:D10)

この関数は、Sheet1のB2:B10、Sheet2のC2:C10、そして現在のシートのD2:D10の範囲における平均値を算出します。

3. 動的な範囲の平均

データの範囲が変わるとき、OFFSET関数とCOUNTA関数を組み合わせて、動的な範囲の平均を算出することが可能です：

=AVERAGE(OFFSET(A1,0,0,COUNTA(A:A),1))

この関数は、A列にある空白でないセルの数を動的にカウントし、その範囲内の平均を算出します。

4. 週末を除いた平均の計算

平日のデータのみを平均するためには、AVERAGEIF関数とWEEKDAY関数を組み合わせます：

=AVERAGEIF(WEEKDAY(A2:A100),"<6",B2:B100)

この関数は、A2:A100の日付が平日（月曜日から金曜日）である場合に限り、B2:B100の関連する値の平均を算出します。

AVERAGE関数を使う際のポイントと一般的な誤り

AVERAGE関数を利用する場合、次のような誤りに気を付ける必要があります：

1. 空のセルや文字列が含まれている範囲を選択してしまう

   空白のセルや文字列は計算に反映されないため、予期しない結果が生じる可能性があります。例えば、A1:A10の範囲に5つの数値と5つの空白のセルが存在する場合、AVERAGE関数は5つの数値の平均を算出します。このため、全体の平均よりも高い値が示されることがあります。

   対処法：データの範囲を注意深く選び、必要に応じてCOUNTA関数などを用いて、正確なデータ数を確認しましょう。

2. 0を含むセルの扱いを誤る

   0はAVERAGE関数で有効な数値と見なされます。売上データなどで0が重要な意味を持つ場合は問題ありませんが、データがないことを0で示している場合、平均値が低くなることがあります。

   対策：0が有効な情報かどうかを確認し、必要に応じてAVERAGEIF関数を利用して0を除外することを考慮しましょう。

3. 大きな値や小さな値の影響を見逃す

   極端に高い値や低い値が存在すると、平均値が大きく偏る恐れがあります。例えば、通常の売上が1000円台に対して、100,000円という異常値が含まれていると、平均値が著しく上昇します。

   対策：データの動向を理解するために、最大値（MAX関数）や最小値（MIN関数）を併せて確認することが推奨されます。また、中央値（MEDIAN関数）を用いることで、極端な数値の影響を和らげることができます。

4. 動的に変化するデータ範囲に対して対応していない

   データが定期的に追加される表において、範囲を固定してしまうと、新たなデータが平均の計算に反映されなくなります。

   対処法：以前述べた動的な範囲指定手法を利用するか、テーブル機能を活用して自動的に範囲が広がるようにしましょう。

5. 条件付き書式との組み合わせミス

   AVERAGE関数の出力を条件付き書式のルールとして用いる際、絶対参照と相対参照を誤ると、予期しない結果が生じることがあります。

   対策：条件付き書式のルールを作成する際には、AVERAGE関数の参照が適切であるかを必ず確認してください。必要があれば$記号を用いて絶対参照に変更しましょう。

これらのポイントを考慮することで、AVERAGE関数をさらに正確かつ効果的に活用できるようになります。データの特性や目標に応じて、正しい使い方を選ぶことが大切です。

AVERAGE関数の練習問題

AVERAGE関数についての理解を深めるために、次の練習問題に取り組んでみましょう。

問題1：基本的な平均計算

以下の売上データの平均を算出してください：
1000, 1500, 2000, 1800, 2200

=AVERAGE(1000, 1500, 2000, 1800, 2200)

=AVERAGE(A1:A5)

解説：この課題は、AVERAGE関数の基本的な使い方を確認するものです。数値を直接入力するか、セルの範囲を指定することで、平均を簡単に算出できます。

問題2：条件付き平均計算

以下の売上データがA1:A10のセルに保存されています。2000以上の売上の平均を求めてください：
1800, 2200, 1900, 2500, 1700, 2100, 2300, 1600, 2400, 2000

=AVERAGEIF(A1:A10, ">=2000", A1:A10)

解説：この課題では、AVERAGEIF関数を使って条件に基づいた平均を算出します。第一引数は評価対象の範囲、第二引数は条件、第三引数は平均を求める対象の範囲です。2000以上の値のみが計算の対象とされます。

問題3：複数範囲の平均計算

Sheet1のA1:A5とSheet2のB1:B5に次のデータが存在するとします。両方の範囲の平均値を求めてください：
Sheet1: 10, 20, 30, 40, 50
Sheet2：15、25、35、45、55

=AVERAGE(Sheet1!A1:A5, Sheet2!B1:B5)

解説：この課題では、異なるシートにある複数の範囲を一つのAVERAGE関数で求めています。シート名と範囲を正確に記述することが大切です。

問題4：動的範囲の平均計算

A列にデータが連続して入力されていますが、データの数は変わる可能性があります。現在のデータが A1:A100 まであると仮定し、空白セルを除いた全データの平均を求める関数を作成してください。

=AVERAGE(A1:INDEX(A:A, MATCH("*", A:A, -1)))

解説：この課題では、変化するデータ範囲に適応するための高度な関数の集合を利用しています。INDEX関数とMATCH関数を組み合わせることにより、データがある最後のセルまでを自動的に特定し、その範囲の平均値を算出します。この手法によって、データが追加されたり削除されたりしても、常に正しい平均を算出することができます。

問題5：週末を除いた平均計算

A列に日付、B列に相応する売上データが入力されています（A1:A30, B1:B30）。週末（土曜日および日曜日）を除いた平日の売上の平均を算出する関数を作成してください。

=AVERAGEIF(WEEKDAY(A1:A30,2),"<=5",B1:B30)

解説：この課題では、AVERAGEIF関数とWEEKDAY関数を併用しています。WEEKDAY関数は、第二引数に2を指定することで月曜日を1、日曜日を7とする週の日番号を返します。条件 “<=5” によって、月曜日から金曜日（1から5）の情報のみが平均の計算に含まれます。このやり方を用いることで、週末の情報を自動的に除外し、平日だけの平均を容易に算出できます。

AVERAGE関数の実務での活用例

AVERAGE関数は、ビジネスの多くの状況で利用可能です。以下に、実務での具体的な使用例をいくつか示します。

1. 販売分析

小売業やオンラインビジネスでは、毎日の売上データを解析することが非常に大切です。

• 日々の売上の平均を算出し、平均に満たない日の特定とその要因の分析。
• 商品カテゴリーごとの平均売価の算出と価格戦略への応用
• 顧客の平均購入金額の計算と優良顧客の特定

2. 人事評価

従業員のパフォーマンス評価や給与の計算にAVERAGE関数を利用できます。

• 部門ごとの平均評価スコアの計算と全体的な組織のパフォーマンス分析
• 従業員の平均労働時間の算出と人事管理への応用
• 営業担当者の平均契約率の計算と目標の設定における活用

3. 品質管理

製造業や品質管理部門において、製品の品質を保つためにAVERAGE関数が有効です。

• 製品サイズの平均値計算と規格外製品の検出
• 不良品率の中央値監視と品質向上策の効果評価
• 機器の平均運転時間の算出と予防メンテナンス計画の策定

4. 財務分析

財務部門では、さまざまな財務指標を算出する際にAVERAGE関数を活用することができます。

• 月次収益の平均値計算と季節変動の分析
• 平均回収期間の算出と債権管理の効率化
• 投資プロジェクトの平均利回りの算出とポートフォリオの運用

5. 顧客サービス

カスタマーサポート部門では、サービスの質を向上させるためにAVERAGE関数を利用することができます。

• 平均応答時間の計算とサービスレベルの評価
• 顧客満足度調査における平均スコアの算出とサービスの改善点を特定する
• 問い合わせの種類ごとの平均処理時間の算出と効率化のための施策の提案

これらの事例は、AVERAGE関数の基本的な用途を発展させたものです。実務では、他の関数やピボットテーブルと組み合わせて、さらに複雑で詳細な分析を行うことが一般的です。AVERAGE関数を習得することは、より高次のExcelスキルを身につけるための重要なステップになります。

AVERAGE関数を効果的に利用するためのポイントとアドバイス

AVERAGE関数をより効率的に活用するための、いくつかの実用的なアドバイスやテクニックをご紹介します。

1. 名前付き範囲の活用

よく利用するデータ範囲に名称を与えることで、関数の理解度が高まり、管理もスムーズになります。

=AVERAGE(月次売上)

この手法を用いることで、具体的なセル範囲を意識することなく関数を記述可能であり、データ範囲が変わった際には名前付き範囲の定義を更新するだけで対応できます。

2. AVERAGE関数の入れ子使用

複数の平均値を同時に算出する際には、AVERAGE関数をネストさせることが可能です。

=AVERAGE(AVERAGE(A1:A10), AVERAGE(B1:B10), AVERAGE(C1:C10))

この手法を用いることで、異なる範囲の平均値の平均を容易に算出できます。

3. エラー処理の組み込み

データに誤りが含まれている可能性がある場合、IFERROR関数と一緒に利用します。

=IFERROR(AVERAGE(A1:A100), "データエラー")

この手法を使用することで、エラーが起こった際にカスタムメッセージを表示することが可能です。

4. 条件付き書式との連携

AVERAGE関数の出力を条件付き書式のルールとして活用することで、視覚的な分析が実現します。

例：平均を下回る値を赤色で表示

=A1<AVERAGE($A$1:$A$100)

この条件を条件付き書式のルールとして設定することで、平均を下回る数値を簡単に識別できます。

5. ピボットテーブルでの活用

ピボットテーブルの値フィールドにおける集計方法として「平均」を選ぶことで、多数量のデータを手軽に解析できます。これは、AVERAGE関数を自分で使うよりも柔軟かつ効率的な手段です。

6. 動的な日付範囲の平均計算

TODAY関数とDATE関数を組み合わせることで、最近30日間の平均など、動的な日付範囲の算出が可能です。

=AVERAGEIFS(B2:B100, A2:A100, ">="&DATE(YEAR(TODAY()),MONTH(TODAY()),DAY(TODAY())-30), A2:A100, "<="&TODAY())

この関数は、A列に日付、B列に数値が存在する場合に、直近30日間の平均を動的に算出します。

これらのヒントやコツを利用することで、AVERAGE関数の能力を最大限に引き出し、より効果的で洞察に満ちたデータ分析が実現できます。実際の業務データを使って練習することで、これらの手法を習得し、Excelのスキルを向上させることができるでしょう。

要約：AVERAGE関数を活用して業務の効率を向上させる

AVERAGE関数は、一見簡潔な機能ですが、正しく利用することで強力なデータ分析の道具となります。この記事で習得した内容を再度考察してみましょう：

• AVERAGE関数の基本的な使い方と特徴
• 応用テクニックと他の関数との組み合わせ方
• よくある間違いと注意点
• 実務での具体的な活用例
• 効果的な使用のためのヒントとコツ

これらの知識を活用することで、日常の業務におけるデータ分析や意思決定の質を向上させることが可能です。AVERAGE関数は、より複雑なExcelの機能を習得するための不可欠な基盤となるため、ここで得たスキルを出発点として、さらなる高度なExcelの技術を学ぶことをお勧めします。

日常の業務で実践し、継続的に学ぶことで、Excelを用いたデータ分析の専門家への道が開かれるでしょう。AVERAGE関数の正しい利用法を習得することは、その重要な第一歩と言えます。

より上級のExcelスキルを習得したい方には、ユースフルのExcelProコースが最適です。基本から応用まで、実践的な技術を効果的に学ぶことができます。

AVERAGE関数を習得し、Excelのスキルを向上させて、作業の効率を向上させましょう！